導入事例 | 金融システムメーカー様


 金融システムメーカー様への
 ご支援事例をご紹介します。

依頼の背景

お客様においては、グループ会社と共同で金融システムの新規開発あるいはシステム改修を行ってきたが、品質に関するさまざまな問題が顕在化してきたため、弊社にて全面的なサポートを実施することとなった。

グループ会社間での責任範疇や役割分担が不明確でプロジェクト全体のマネジメントが機能していなかったこと、また品質基準がなく受入体制が未構築であったことが、中でも大きな問題となっていた。

導入サービス

現状分析を実施したのちに、プロジェクトにPMOとして参画し、PMO業務支援の中でさまざまなサービスを展開した。

1.現状分析
2.PMO業務支援(プロジェクトに発注企業の立場で支援)
3.クオリティゲート設定サービス
(納品物受入基準やプロジェクト品質管理基準を定義)
4.テスト計画(戦略)支援
(効率的かつ効果的なテストを行うための計画(戦略)を定義)

サービスの詳細

現状分析の結果、部署間やグループ企業間での役割分担が不十分であったため、特に受け入れ時に問題が発生していることがわかった。
そのため、PMO業務支援ではRACI[1]分析を行い、部署や企業毎の業務分担と責任範囲、所在の明確化を実施。
また、クオリティゲート設定サービスとして工程移行判定を導入し、プロジェクトのQCD状況を可視化することで状況判断材料を提供した。

お客様では開発(プログラミングと単体テスト)をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)されていたが、そこでも受入基準が未整備であったため、受入基準の策定+IEEE829に基づいたテスト方針を策定し、受入テストに関する支援も実施した。

[1] RACIとは

プロジェクトを構成する各工程において、チーム内の誰がどのような役割で関わるかを定めたもので、RACIは「Responsible」「Accountable」「Consulted」「Informed」の頭文字を合わせた言葉。
「Responsible=(実行責任者)」
「Accountable=(説明責任者)」
「Consulted=(協業先、または相談先)」
「Informed=(報告先)」

導入後の効果

全社PMOとしてお客様のプロジェクトに参画することでグループ全体への直接的な関わりが実現し、RACI分析に踏み込めたことで、今まで不透明であったプロジェクト体制に関する業務分担と責任範囲、所在の明確化につながった。また同時に今まで互いに敬遠していた部分が取り除かれ、コミュニケーションの改善にもつながった。

その他、クオリティゲートの設定によるQCD状況の可視化に伴い、各工程ので改善ポイントがわかるようになった。
具体的には、各工程のプロセスとプロダクト(成果物)の評価を定性的かつ定量的に行うことができるようになり、未然に品質低下要因をケアすることが可能となった。

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