ソフトウェア品質管理とは?重要ポイントをやさしく解説

ソフトウェア品質管理は、ソフトウェア開発プロジェクトを計画通りに進め成功に導くにあたって、欠かすことのできない重要な取り組みです。

開発プロジェクトにおいて、不具合が止まらない、あるいはレビューやテストの実施方法が属人化してしまっている等の課題はよく耳にします。品質管理を怠ったことで大きな市場不具合が発生してしまった場合などは、金銭的な損失だけでなく企業としての信頼をも失う、大きなリスクを背負う事態となりかねません。

本記事では、「ソフトウェア品質管理」とはどんなものか、またソフトウェア品質管理を行う際の重要ポイントについて、これからソフトウェア開発プロジェクトのマネジメントに携わる初心者の方へ向けてやさしく解説します。

また最後に弊社、株式会社QualityCubeが独自開発した品質管理ツール「クオリティゲート」についてもご紹介いたします。

ソフトウェア品質管理とは

ソフトウェア品質管理の定義

ソフトウェア品質管理(Quality ManagementもしくはQuality Control)とは、ISO9000で「要求を満たすソフトウェア製品・サービスを提供するために、組織を指揮し、管理すること」と、定義されています。

この定義から、ソフトウェア品質とは「顧客の要求に応えて提供すべき価値を実現するもの」と考えることができます。したがって開発者は「何をもとに品質の評価基準とするのか」を定義し、顧客が満足できるサービスを提供しなければなりません。
つまりソフトウェア品質の基準は、「顧客の評価によって変化する」と言えます。

なお、「ソフトウェア品質」とは何なのか?については、以下エントリで詳しく解説していますので参照してください。

ソフトウェア品質管理」と「ソフトウェア品質保証」の違い

ソフトウェアの品質管理と混同されやすいのが、「ソフトウェア品質保証」 (Software Quality Assurance)です。いずれもソフトウェアの品質に関わる点は共通しており相関関係にはありますが、目的や視点が異なります。

「ソフトウェア品質管理」は、ソフトウェアに要求される品質を「実現」したうえで納品するために、開発者側の視点で行います。開発工程における不具合発生時の分析や工程の見直しを行い、開発プロセスの管理・改善を図る活動です。

対して「ソフトウェア品質保証」は、ユーザーがソフトウェアに要求する品質を満たしていると「保証する」活動です。ソフトウェア開発における品質保証活動は企業によって異なりますが、代表的なものとしてはテストやレビューの実施があります。

ソフトウェア品質管理は「開発者側の視点」から開発工程を管理する取り組みである一方、ソフトウェア品質保証は「ユーザーや発注者の視点」が必要になってきます。

ソフトウェア品質管理において重要なポイント

では、実際にソフトウェア品質管理を行うにあたり、どのようなことが重要となってくるのでしょうか。
弊社QualityCubeが特に重要と考える、2つのポイントについて解説していきます。

QCDバランスの維持

QCDバランス

QCDバランスは、ソフトウェア品質管理において非常に重要な要素です。

QCDとは、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字から成る概念ですが、この中で最も重視すべきと言われるのは「Q(品質)」です。いかに高品質で、且つコストと納期をバランス良く維持するかが、プロジェクトの成否に大きくかかわります。

冒頭で述べた通り、「Q(品質)」とは「発注者の要求に応えて提供すべき価値を実現する」ことを指します。「C(コスト)」は開発やテスト、保守などの作業にかかる費用を指します。また「D(納期)」は、プロジェクトが期待どおりに進捗し、納期までに成果物が提供できることを示します。

例えば、高品質なソフトウェアを迅速に提供しようとすると、コストが増加する可能性があります。逆に、急いで開発を進めすぎることで品質が損なわれるおそれがあります。

したがって、ソフトウェア品質管理においてQCDバランスを保てるよう評価し続けることは、プロジェクト全体の健全な成果を確保し、発注者やステークホルダーの期待に応えるために欠かせません。

なお、「QCD」についてより詳しく知りたい方は、以下エントリを参照してください。

工程の見える化

開発工程の見える化は、ソフトウェア品質管理において不可欠です。
「工程の見える化」とは、開発プロジェクトの進捗や状況を、ひと目で把握できるようにする取り組み全般を指します。工程を見える化することで、開発プロセス全体の透明性が高くなり、進捗や課題が把握しやすくなります
また見える化された開発プロセスの良し悪しを、各工程で定量的・定性的にジャッジすることで、不具合や手戻りを未然に防ぐこともできます。

工程の見える化で得られるメリットとしては、主に以下の3つです。

◆各工程やタスクの進捗が明確になり、遅延や問題が早期に発見される
⇒これにより、タイムリーな対応が可能となり、品質への影響を最小限に抑えることができます。

◆チームメンバーが互いの作業を理解しやすくなり、コミュニケーションがスムーズになる
⇒これにより、品質に対する共通の理解が生まれ、属人化を防ぎ、メンバー間の認識齟齬が減少します。

◆プロセスや成果物に関する情報が可視化されることで、品質基準に沿った開発が促進される
⇒これにより、品質の観点から優先順位をつけた効果的な品質管理が可能になります。

総じて、開発工程の見える化はリアルタイムでの問題解決や品質向上に寄与し、プロジェクト全体を円滑かつ効果的に進めるために不可欠と言えます。

さいごに

ここまで、ソフトウェアの品質管理における重要ポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

弊社、株式会社QualityCubeが開発した「クオリティゲート」は、開発プロジェクトの状況を可視化し、品質向上をサポートするソフトウェア品質管理ツールです。


クオリティゲートでは、必要数値(メトリクス)を設定するだけで、工程移行時の品質判定基準が設置できます。この基準をもとに開発工程のプロセス品質を判定することで、プロジェクトの課題傾向やリスクの見える化が可能になります。

ご興味をお持ちの方は、まずは無料相談からでもお気軽にご相談ください。

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