「PMO」とは？近年大きな注目を集めている「PMO」について要点を解説

2023年3月2日 2024年3月18日

yamasaki

「何としてもプロジェクトを成功させる」

プロジェクトの成功に向けてPM（プロジェクトマネージャー）は大きな役割と責任を一手に担いますが、そのPMをサポートする存在がPMO「Project Management Office（プロジェクト・マネジメント・オフィス）」です。
PMOは近年、大きな注目を集めており、現代プロジェクトにおけるPMOの重要性が年々増しています。

本記事では、PMOを検討中の方に向け、プロジェクトの成功に向けてPMOを正しく理解し、正しく導入していただくことを目的として、「PMO」の要点を順に解説していきます。

PMOとは

PMOとは、Project Management Officeの略で、PMと同じくプロジェクトマネジメントをする部門ということになります。
プロジェクトマネジメントの知識体系としてお馴染みのPMBOK（Project Management Body of Knowledge）では、「PMOは組織内のプロジェクトを統制する仕組みを作り、実行していく組織であること」と紹介されています。

本記事ではPMOの業務を以下の二つの視点で説明していきます。

プロジェクト全体を運営するための「プロジェクト運営事務局」としての業務
システム開発の成功確率を上げるための「PMをサポート」する業務

PMOの役割

PMOはPMとともにプロジェクトの成功に大きく影響する重要な部門です。
PMが意思決定に集中できる体制を整え、PMを支援する立ち位置でプロジェクト管理を行うことがPMOの役割です。

プロジェクトを牽引するPMは実際には意思決定のほかにも多くの実務があり、プロジェクトの規模や部署との関り度合い、参加メンバーのスキル等により、PMの業務が滞り意思決定が遅れるといったリスクと常に隣り合わせにあり、そういったリスクを排除するのがPMOの役割となります。

PMOはPMを補完する

またPMを補完することもPMOの重要な役割です。当然ではありますがPMはそれぞれスキルやマインドが異なります。
しかしこと組織にとってはこのPMごとに異なるスキルやマインドのばらつきが大きな問題となります。この問題に対し、PMOはPMを補完するという役割を担い問題解決に結びつけます。

このことからもわかるように、PMOにはより高く汎用性のあるスキルやマインドが求められます。

PMOの主要業務

次にPMOのプロジェクト管理としての主要業務をまとめます。

プロジェクト管理業務	概　要
進捗管理	状況把握とタスクマネジメント
品質管理	品質の定量的把握と向上対策
課題管理	潜在的課題の把握と対応
リスクマネジメント	リスクの予見と対策

上図のとおりPMOは主に、「進捗管理」「品質管理」「課題管理」「リスクマネジメント」に重点を置いたサポートをPMに提供することにより、
プロジェクトのスムーズな進行を目指します。

PMOのもっとも重要な業務とは

さて、PMはプロジェクト計画書を作成し、プロジェクト計画書に基づいてプロジェクトを進行・軌道修正していきます。
プロジェクト計画書はそのプロジェクトのバイブル的存在であるため、PMは念を入れてプロジェクト計画書を完成させていきます。

そのプロジェクト計画書をチェックする役割を、実はPMOが担います。
PMOの業務も多岐に渡りますが、その中でもっとも重要な業務がプロジェクト計画書のチェックだと言えます。

PMOの体制上のポジション

PMOは、個別のプロジェクト内でPMをサポートするポジションを取る場合が一般的ですが、ケースによりプロジェクト外からPMをサポートするポジションもあります。（本記事では、前者を個別プロジェクトPMO、後者を全社PMO（または部門PMO）として区別します）

このように体制上のポジションによってPMOに求められる役割が異なるため、注意が必要です。
下表のようにまとめることができますので、覚えておくとよいでしょう。

体制上のポジション	主な役割
個別プロジェクトPMO	✔PMの意思決定をサポートする ✔PMの作業をサポートする ✔PMの行動を是正する ✔PMにアドバイスする
全社PMO（部門PMO）	✔規約やルールを策定する ✔規約やルールをチェックし徹底する ✔プロジェクトを横断的に監督する